2004年12月15日

Library for the world's books

Googleが、米国の主要図書館及びOxfordの図書館の蔵書の、データベース化に乗り出した。
Google Press Release:Google Checks Out Library Books (Dec.14 2004)

同日のNew York Timesは、

"The collaboration of Google and research institutions that also include Harvard, the University of Michigan, Stanford and the New York Public Library is a major stride in an ambitious Internet effort by various parties."

と評価し、オンラインで速報している。
ちなみに、full textでデータベース化されるのは、copyright(#1)が切れた古い書物のみで、coprightの残っている著作物は、短い引用がオンラインで提供されるらしい。

まあ、確かに革新的な取り組みだとは思いますが…。
実空間に存在する知的財産を、データーベースに丸ごと移転させてしまうというのは、実は古典的なやり方である。現在、慶應義塾大学は複数のデータベースサービスと契約しているので、キャンパスのネットワークに接続すれば、たいていの洋雑誌はオンラインで検索でき、その内容はテキストもしくはPDFで全文閲覧が可能である。今回のGoogleの取り組みは、その延長線上に位置づけることが可能であり、その意味ではあまり斬新な取り組みではない。

僕が個人的にもっと気になるのは、実空間がそのままインターネットに繋がった状態、村井さんの言うところの「実空間インターネット」への対応なのだ。
IPv6の採用により、IPが事実上無限に振れるようになると言われる。実空間に存在する様々な物、例えば自室の本棚の本にIPをふることにより、Googleで自分の本が検索出来るようになるかもしれない。RF-IDの普及の仕方にもよるだろうが、少なくとも理屈の上では可能なはずだ。
実空間の本棚にIPがふられた時、検索サイトGoogleはどんな対応をするのだろうか。
うまく応用すれば、欲しい本があるとき、友達の本棚から本を見つけて、「貸して!」とおねだりが出来るかもしれない。しかし、いかに友達といえども、突然電話がかかってきて「君の部屋の本棚の、3段目の右から4冊目の本が借りたい」と言われたら、気持ちが悪い。さらに、物にIPがふれるということは、理論的には人間にIPをふることも不可能ではない。そこで、RF-IDの普及を、オーウェルの『1984年』のような超監視社会を招くと危惧する向きもある。
さて、世界の覇者Googleさん、実空間がインターネットの一部になるとき、あなたはどう対応するのか、そろそろ方向を示して下さい。

#1: 英語の"copyright"って、日本語にするときは「著作権」でよいの?? >柏木さーん!!
参考:New York Times on the web

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comments

そういわれてみれば,怖いかも・・・(汗
でもSFC内だけでもいいから,こういう実験やってみてほしいかも・・・あったら結構多用しそうです。

  • Sojo
  • 2004年12月15日 15:41

SFCは社会実験キャンパスだからね。
ちなみに、今年のORFでは、人間に10メートル届くUHF帯のRF-IDをお客様に持っていただき、会場管理をしていたんだよ。気づいてた?あれなんて、一つ応用方法を間違えたら、超監視社会だよねー。

  • yuhei.k
  • 2004年12月15日 15:48

文脈上あきらかに「複製権」について述べているのであれば、
そう記述するにこしたことはないけど、
複製権もひっくるめての「著作権」なので、構わないと思うよ。
ただ、我が国の著作権と他国の著作権は毛色が違うこともあるので、
ちょっと気をつけないといけないね。

実空間インターネットは、
多分に個人情報との関わりが強くなるだろうから、
運用が非常に難しいだろうね。

なるほど、勉強になりました >Hisashi

うん、まさしく個人情報とのリンクが問題なんだ。
知らないうちに、IDを読み取られてそこに遡及することが可能になるというのは、すごい怖い…最悪のケースとして、金持ちの子供に目をつけて誘拐だなんてことも想定しうるよね。
自己情報コントロール権にも抵触するので、議論が必要です。

  • yuhei.k
  • 2004年12月15日 18:31

自己情報コントロール権は今のところ判例的には
憲法上の人権としてはとらえられていないので、
それを「人権ですから」と言って保護することは難しいよね。
そうすると、判例変更を待つか、立法論的な解決が成されるまでは、
ずとグレーゾーンのままで議論は進められるのだろうな。

なるほどねー。そろそろ体系的な法整備がなされてもよい気がするけど。
ただ、自己情報コントロール権についていえば、例えば顧客のカード破産暦などを信販会社がストックすることによって、みんなの金利が下がっているといった、社会全体の利益とトレードオフの関係になる場合もあるんだよな。英国では、性犯罪暦のある人の情報を写真入りで公開していて、議論を呼んでいるよね。

  • yuhei.k
  • 2004年12月16日 00:10
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